この「楽興の時~室内楽セミナー&演奏会」は2007年より福岡県北九州市および福岡市で毎年行われております。
この「楽興の時」は、NHK交響楽団第一コンサートマスター篠崎史紀氏を招聘し、第一線で活動するヴァイオリニトである篠崎氏とピアノを勉強する若い演奏者や 子どもたちが共演することで、「音楽」を通じて対話を行い、互いの感性を刺激し合い、その瞬間でしか成しえない音楽を作りあげようというものです。
なぜ今室内楽なのか・・・
篠崎氏はよく、「音楽は、言語や人種、宗教、ジェネレーションを越えて、一瞬の内に様々な人々と喜怒哀楽を共有できる、最高のコミュニケーションツールだ」と言っております。
その中でも特に「室内楽」という分野には、ただ音を合わせることに留まらず、こう表現したいという「発想力」、相手の思いや考えに気づき答える「瞬発力」や「柔軟性」など、
人間社会において重要な「コミュニケーション」をつかさどることに必要な要素が詰まっています。つまり室内楽の中での自分の役割や、それぞれの楽器のひとつひとつの音の意味、
また他の楽器についての知識、これらの事を音楽を通じて学ぶこと、それは人間社会でのアンサンブル、すなわち人と人との結びつきを考え、コミュニケーションを取りあうという
人間形成の点においても重要なのです。
その室内楽を体験することで、受講生の発想が、「篠崎氏のヴァイオリン」と結びつき、音楽上のコミュニケーションを経て、「内に秘められる感性」が引き出されていることに
気づかされます。
それだけでも充分受講生の感性が刺激されるのは感じられるのですが、その感性を「真の力」に変えるために、ヴァイオリニストからだけではなく、 「ピアニストからの観点」も重要だと私は考えております。
その「ピアニストからの観点」をお願いしている田中美江氏。
福岡を中心にピアノ教育者として、また室内楽奏者として国内外の演奏家と共演するなど、数多くの経験と知識、そして信頼を得ている田中美江氏は、
篠崎氏が示したイメージを具体性を持って受講生らと向き合い、その上で各自の問題点を即時に見極め、その解決策を見いだしていく。
これにより受講生らの「引き出された感性」が確かなものとなり、説得力とともに音楽となり溢れ出てきます。
楽興の時では、その受講生らの「出会いの瞬間」から、セミナーで掴んだ確信が真の力として、音楽がより一層の魅力を放って輝く「達成の瞬間」まで 全て公開しております。
篠崎氏の音や言葉で変わりゆく受講生の音楽。その過程を知ることで広がる知識と感性。
音楽が持つ魅力のすべてを「楽興の時」はお届けします。
「楽興の時」より羽ばたいた
N響・チェロ奏者 市寛也氏
このセミナーの最大の特徴は、講師である篠崎さんが受講者と一緒に演奏に参加してくださり、直接指導をしていただけるということです。
つまり、篠崎さんの演奏がそのまま受講者の実体験として残ります。
衝撃だったのは、その篠崎さんの曲作り。まず基本的な骨組みをしっかりと作り、骨格が決まったらあとはフリーにして、 そこからが本当の意味でのアンサンブルの世界を繰り広げるということです。
篠崎さんは、その時の音楽の流れに合わせて毎回違うことを仕掛けて来られます。その時の気分やテンションによって仕掛ける内容はさまざまです。 ですが!篠崎さんは事前に口で「ここ仕掛けるよ。」とは言ってくださいません(笑)
これに対応するには土壇場で気配を察知する多くのアンテナと対応力が必要です。
演奏中のさまざまな駆け引きを身をもって経験することで、その能力を身につけることができます。
一つの曲を時間をかけてじっくりと仕上げるセミナーはこれまでに多く受講してきましたが、 受講後の演奏活動に応用の利く実践的なアンサンブルセミナーは楽興の時が初めてでした。
スコアの中で自分のパートの居場所を見つけるコツ、他のパートとのバランスの取り方や音色の使い分けなど、 的確で分かりやすい例を交えた篠崎さんのレッスンは、これまでと違った視点でのスコアの見方、とらえ方を身につける大きなきっかけとなりました。
また、篠崎さんのピアノという楽器に対する着眼点の鋭さ、指導の細かさは大変勉強になり、ピアノアンサンブルでのピアノパートの聴き方は大きく変わり、
そして何よりも、演奏する度に新しいアイデアが生まれる篠崎さんの活きたアンサンブルは、アンサンブルの楽しさ、やりがいを改めて認識することになりました。
口で説明を受けるのではなく、篠崎さんの演奏を通して自分のからだで体験したものは習得率も100倍! その斬新なアンサンブルレッスンは自分自身のアンサンブルに対するアプローチを180度変える貴重な体験となりました。 楽興の時は、アンサンブルが初めての人もたくさん経験してきた人も、これまで味わったことのない世界をみることができる魅力的なセミナーです!!
Nさん(当時 小3)
私はセミナーに参加してマロ先生と田中先生にお会いできるのをとても楽しみにしていました。
でも、初めてのレッスンの時はとてもきん張してしまいました。ドキドキしながらえんそうしたら「上手にひけたね。」と言って下さったのでとてもうれしかったです。
レッスンが始まるとマロ先生は曲のイメージを楽しく具体的に教えて下さったので、楽ふがさし絵いっぱいの絵本に変わったような気がしました。
たとえば、「スタッカートは、ティンカーベルがふんわり着地するようにひいてみてね。PPはねている赤ちゃんをそっとのぞきこむ感じを思いうかべてみてね。」
などです。すぐにはできない事もありましたが、その時は田中先生が指使いやフレージングを一緒に考えて下さったので、少しずつ自分の演奏が 変わっていくのがわかりました。
一人で練習してわからなかった所も先生のバイオリンに合わせるとどんどんイメージがわいてきたのでとても楽しかったです。
マロ先生はえんそうされる時テンポやひき方が少しずつ変わるので、最初はついていくのが大変でしたが、本番のコンサートでは先生の音をききながら心をこめてえんそうすることができてとてもうれしかったです。
これからはひとりで練習する時もいろいろな楽器の音をイメージしながら練習したいと思います。そして、楽ふをすてきな絵本に変えられるように ひとつずつの音を大切にえんそうしていきたいなぁと思います。
(文章は原文のまま記載しております。)
毎年、福岡で開催されている「楽興の時」というイベントをご存知でしょうか? 初めて聴講してきましたが、
今年になってクラシックの室内楽にずぶずぶハマっている私にとって極めつけと言っていい、素晴らしい体験となりました。
・・・・・・・(中略)・・・・・・・
一番驚いたことは、MAROさんが求める音楽のレベルの高さに一切妥協されなかったこと。。。 受講者は単なるアマチュアの方々なので、
普通に考えれば、それぞれの技量に合わせてその高さは変えざるを得ないと思うのですが、
受講者によって指摘するポイントが違うだけで、最終的に求めておられる高さは全く変えられない!
これは本当にスゴいこと。どんな技量の方に対しても、自分の求めるレベルを示し、その高さに向け「少しでもいいから近づこう!」と苛立つこともなく、
手を変え品を変え、ユーモアを交えつつ優しくアドバイスされるMAROさん。
もうこれだけで、尊敬の一言。
更に、このレッスンにはピアノのテクニカル・アドバイザーとして純真短期大学教授の田中美江さんがご同席されておられるのですが、この方がまた信じられない神業を連発!
MAROさんが求めておられる音をこの受講ならどうやったら出せるかを瞬時にご判断され、受講者にアドバイス。そしてそう弾くと、本当にその音が出てくるのですから、これは感動もの。
・・・・・・・(中略)・・・・・・・
また、私のように演奏しないクラシック愛好家の方にも、聴講する楽しみは満載。
ヴァイオリンとピアノの対話、音の受け渡し方、そのニュアンスの込め方等々、少しのアドバイスで明らかに変わる音楽の表情。そして、その細やかなニュアンスの積み重ねでどんどん演奏の質が上がっていくのが、リアルにわかる喜び。
中でも、いつもコンサートを聴きに行ってよくわからないままに感動するようなポイントが、言葉として、演奏技術として、確認出来た出来た喜びはちょっと言葉には言い表せません。
・・・・・・・・(後略)・・・・・・・
※以上は、ほんの一部のご紹介です。全文は、
https://r35s2840.amebaownd.com/posts/6003899 をお読みください。